サザンオールスターズの12thアルバム『Young Love』の感想記事です。
収録曲
- 胸いっぱいの愛と情熱をあなたへ
- ドラマで始まる恋なのに
- 愛の言霊~Spiritual Message~
- Young Love (青春の終わりに)
- Moon Light Lover
- 汚れた台所
- あなただけを~Summer Heartbreak~
- 恋の歌を唄いましょう
- マリワナ伯爵
- 愛なき愛児~Before The Storm~
- 恋のジャック・ナイフ
- Soul Bomber (21世紀の精神爆破魔)
- 太陽は罪な奴
- 心を込めて花束を
基本情報
▪1996年7月20日発売
▪ビクター
▪初登場1位
サザンが繋いでくれた絆
本日のアルバム感想ではサザンオールスターズを取り上げます!
音楽好きあるあるな話ですが、他の人と好きな音楽の話になった時に「どんなバンドが好きなの?」って質問をされると、我々のようなポップス/ロックフリークは悩みますよね。
会話の盛り上げに徹する術として、その場では無難にミスチルやサザン、ビートルズやオアシスとかを挙げたけど実はもっとマニアックなのも聴くんだよ俺は!…って悶々とするような経験をされた方も多いかと思います。個人的にもそうなのでw
とはいえ、僕の場合は意外とその有名どころがツボで、ミスチルやサザンやスピッツはもちろん、ヒゲダンも愛聴するしビートルズも大好きです。
それなら人と話が合うじゃん!となるかもしれませんが、多くの人はファンにならない限りはそこまで熱心に聴きません。
これはあらゆる趣味嗜好に通ずることで、いくら他者から自分のテリトリー外、あるいは嗜む程度の娯楽について熱弁されようともいまひとつ深い興味は湧かないし、話にあまりついていけない…というのと同じです。
えらく脱線した話ですが、僕が中3の夏にTwitterを、高1の時にブログをそれぞれ始めたのは、そうした温度差によるフラストレーションの捌け口(?)としてでした。
そこには同じ思いを抱く音楽ファンの同志が沢山いらっしゃって、瞬く間に沢山の趣味仲間ができました。
同じ音楽について好きなだけ語り合うことの楽しさを教えてくれたのは、特にサザンの愛好家の皆さまだったのですが、そこから絆を深めて5年以上を経た今もやり取りを続けている方も多いです。
中には実際にお会いした方もいますからね。
こうして振り返ると感慨深いものがあります。
初めて自発的に聴いたサザンの作品
話が逸れすぎましたが…現在の趣味関連の人間関係の土台はサザンファンの方々と繋がったことによる部分が大きく、そうした縁もサザンにハマらなければ生まれなかったので、1つ1つの出逢いに感謝ですね。
そんなサザンにハマるきっかけとなった作品がこの『Young Love』。
元々家に『バラッド3』があって小学生の頃から愛聴していたものの、自発的に聴くようになったのは2013年の年明けにBOOK OFFで入手した『Young Love』からです。
たぶん、ネット検索していて軒並み評価が高かったので最初に手に取ったんじゃないかな。
『バラッド3』を初めて聴いた時の感想としては、(今でこそ全曲大好きですが)名曲が多い一方で変な感じの曲も随所にあるなという印象でしたが、そんなマニアックなイメージは今作で見事に覆されました。
瞬く間に今作の虜になり、程なくして本格的にサザンを好きになっていくのですが、当時の空気感があまりに印象深くて現在でも今作には冬のイメージが勝手にあります。
今でも年明けになると必ず聴きまくって、夏にはあまり聴かないアルバムだな…。
個人的すぎる話を長々と失礼しました…汗
原点回帰とオマージュ
さてそんな『Young Love』ですが、CDバブル真っ只中の1996年にリリースされました。
ミリオンセールスを記録したシングル「あなただけを~Summer Heartbreak~」と「愛の言霊~Spiritual Message~」を収録し、アルバムも250万枚に迫る自身最大ヒットを記録しています。
絶好調の勢いのままにリリースされたアルバムですが、この時点で既にメンバーの多くは40代に突入しており、ベテランミュージシャンの域に達していたのです。
この3年前を最後に小林武史のプロデュースを離れ、セルフプロデュースに戻った彼らが今作で突き詰めたのは、原点回帰と自身の音楽ルーツのオマージュでした。
往年の洋楽名盤のパロディがぎっしり詰まったジャケットデザインが象徴的です。
これまでに革新的な名曲を次々と生み出し、年齢を重ねたサザンだからこそ一周回って辿り着いたアプローチなのではないでしょうか。
名曲の数々
アルバム全体としては比較的シンプルな6人のバンドサウンドを突き詰め、勢いのあるロックナンバーからポップな名曲、マニアックに攻めた実験テイストに至るまで幅広い作風です。
Led Zeppelinを思わせるブリティッシュロック風味の「胸いっぱいの愛と情熱をあなたへ」で軽快に始まり、前期ビートルズ感に溢れたタイトルチューン「Young Love(青春の終わりに)」、「恋のジャック・ナイフ」「太陽は罪な奴」をはじめとするキャッチーなポップロック、「汚れた台所」「Soul Bomber」といったダーティーで攻撃的なオールドロック、「愛の言霊」「マリワナ伯爵」などの凝りに凝った実験テイストなど、多様な曲調が盛り沢山。
「あなただけを」「ドラマで始まる恋なのに」「Moon Light Lover」といったメロウな名曲や、原さんがボーカルを取った「恋の歌を唄いましょう」などを随所に配置することで緩急も際立ちます。
ラストの「心を込めて花束を」はアルバムのカラーとは異なりますが、これも素晴らしい曲。
桑田作品の締めはバラード、という法則を踏まえた形でしょうか。
実家のような安心感
いやしかしどれも名曲ですね。
これは最初に聴いて正解だったと言えるくらい、間口の広い名盤だと今もなお感じます。
かつて趣味仲間の方とお会いした際に話したことがあるのですが、これだけずっと聴いているとスタンダード化しすぎて、慣れてきちゃってしばらく聴かなくなる時期が訪れる…というのはあるあるだなと。
でもふとした時に聴き返すとやっぱり良いし、ホッと安心できるし、いろいろな思い出もよみがえります。
やっぱりここに戻ってきてしまう、それこそ原点回帰という言葉が似合うような僕らのホーム的な1作です。


