どうもこんにちは、やたろです。
猛暑はピークを過ぎたものの今度は台風で参ってしまいそうな気候ですが、皆さまお変わりなく過ごせていますでしょうか。
さて、本日のブログは久しぶりに新譜を紐解いていくコーナーです。
先月末にリリースされたOfficial髭男dismのニューアルバム『Rejoice』の全曲感想をお届けします!
実は、このアルバム感想に着手しそのすべてを言語化しきるまでにかなりの時間を要してしまいまして…。
というのも今作、Official髭男dismでは最大ボリュームの全16曲、トータル66分に及ぶ超大作です。
ただでさえ多様な音楽性を誇る彼らの作品が放つ情報量の多さを、今アルバムに関しては一聴した段階でうまく消化しきれなかったんですよね。
でも何度も聴いて馴染んでいくうちに、各楽曲の凄まじいエネルギー感や、高度でいて親しみやすい唯一無二の音楽性を改めて実感することとなるのです。
ちなみに特典として付属するBlu-ray『OFFICIAL HIGE DANDISM SHOCKING NUTS TOUR selected from NIPPON BUDOKAN』の映像はリリース前の7月4日にTOHOシネマズ日比谷にて、迫力満点の大スクリーンで堪能してまいりました!
これを視聴してしまうとやはりヒゲダンの真髄はライブだな、生で観たいなという気持ちが増幅します。
それでは周回遅れの全曲感想、いってみましょう!
全曲感想
1. Finder
オープニングを飾るは、前作『Editorial』に引き続いて尺の短い序曲。
初っ端からいきなり聴き覚えのある音色が…と思ったら、これは前アルバムの最終曲「Lost In My Room」のアウトロのフレーズ。
リスナーとの“再会”を想起させるこの仕掛け、前作の完成時には既に浮上していたアイディアだそうですが、藤原さんの歌唱休止期間を経てのアルバムリリースということもあり、よりドラマティックな展開となったのではないでしょうか。
ここでアルバムへの期待値をグッと高めて…からの…
2. Get Back To 人生
前トラックからの流れを受けてアルバムの世界観へとリスナーを引き込んでいく、ファンキーなリズムが印象的な楽曲。
個人的にはアルバム初出の新曲でいちばん好きなナンバーです!
イントロでの小笹さんによるエレキギターのカッティングが、どことなく山下達郎「SPARKLE」を彷彿とさせる小気味よさですね。
予測不能なメロディー展開に、楢ちゃんのベースラインがリードしていくバンドサウンドのグルーヴ感、もう“極上”の一言ですね。
序盤では電子音や打ち込みをメインとしながら、徐々にメンバー演奏の生音パートの比重が増していく…という細かな仕掛けもたまらない!
これぞ音を奏でる “Rejoice”(=喜び) ですね。
歌詞も素晴らしく、《ちゃんと感はもう捨て去る》《あくまで自分ペースで Get Back To 人生》というフレーズがとても胸に響きました…
3. ミックスナッツ
4th EP『ミックスナッツ EP』表題曲。
アニメ『SPY×FAMILY』主題歌としてお馴染みのヒットチューン。
前トラックからの曲間が無く、アルバムというひとつのアートを堪能している感覚を強めてくれます。
Jazzのリズムに乗っかったミクスチャーロック的な音像はリリース当時から衝撃で、キャッチーな歌メロも健在とはいえこんなにもカオスな展開の連なる楽曲がよくあれだけヒットしたよな…と。
Blu-ray『SHOCKING NUTS TOUR selected from NIPPON BUDOKAN』でのテイクを視聴して思ったのですが、難易度の高いリズムパターンを余裕で克服したちゃんまつ氏のドラムプレイが実に圧巻です!
近年よく謳われる “多様性” をテーマに持ってきた歌詞の表現力もさすがとしか言いようがないですね。
4. SOULSOUP
13th配信シングル。
カーティス・メイフィールド「Move On Up」を思わせるイントロのホーンセクションから惹きつけられ、ストレートなバンドサウンドや勢いのあるメロディー、療養を経て復活した藤原さんのハイトーンボイスなど、どこまでもヒゲダンらしい要素の詰まった名曲です。
冒頭の《声すら失うような絶望味のスープ》というフレーズには一度歌うことから離れざるを得なくなった藤原さんの心境が反映されており、リスナーにおいても各人の生活の中での苦い経験を経てリスタートする際など、非常に共鳴できる1曲だと思います。
5. キャッチボール
冒頭からの怒涛の流れを少しクールダウンさせるミディアムナンバー。
シングル級の名曲というよりはアルバム曲らしい佇まいですが、Bメロからサビにかけての突き抜けたポップさはさすがの存在感。
青空が見えるような間奏の歪んだエレキギターがオイシすぎてこの箇所だけでも何度もリピートしたくなります。
打ち込みと生のバンドサウンドを融合させたサウンドプロダクションは現代のバンドならではという感触で、沢山のアイディアが飛び交う制作現場の楽しさが目に浮かぶようです。
6. 日常
6thシングル『Chessboard/日常』両A面曲。
藤原さんの社会人経験を踏まえて書かれた歌詞が印象的なミディアムテンポの楽曲。
クールな温度感の中に滾る情熱が感じられる演奏のアンサンブルが相変わらず素敵です。
洋楽ポップスやパンク、メタルからの影響が色濃いヒゲダンの作品群ですが、この曲はMr.Children「Replay」を思わせるJ-POPらしいメロディーラインも特徴的で、そのためか全体を通してものすごい安心感を覚えるのは僕だけでしょうか?
7. I’m home(Interlude)
8. Sharon
短めのインタールードを経て登場するアルバムのリードトラック。
90’sを思わせるメロディアスなバラードナンバーで、歌詞内容も久々にホッと心落ち着くラブソングです。
グッと視界が広がるサビの爽快感が至高ですね…
バンドのストーリー的な観点では「Get Back To 人生」がリード曲に相応しい気もしたのですが、ヒゲダンのパブリックイメージを考慮するとこういう王道のポップスを前面に出してくるのは名采配だったと思います。
9. 濁点
迫り来るようなリズム感といい、穏やかではない心境が歌われた歌詞にしてもそうですが、そこはかとなく焦燥感が伝わってくる楽曲。
「キャッチボール」以上にアルバム曲らしいポジションですが、シングルカットされた派手なヒットチューンにはない味わいがありますね。
10. Subtitle
8th配信シングル。フジテレビ系ドラマ『silent』主題歌としてお馴染みの大ヒット曲。
個人的にはアルバム全体でみてもそこまで突出した楽曲と捉えていないところはあるのですが、リリース当時にストリーミングで聴いた時よりもアルバムの流れで聴いたほうが数段も良く感じられました。
シンプルな歌モノではあるけれど、楢ちゃんによるシンセベースのフレーズが肝で、細かなサウンドの作り込みが相変わらずさすがです。
11. Anarchy(Rejoice ver.)
6th配信シングルのリテイクバージョン。
アルバム収録に際して大幅にアレンジが変更されており、無機質な打ち込みが目立ったオリジナルに比べると生音が増えて華やかさが増したように感じられます。
個人的には原曲の機械的な響きが好きだったので、リアレンジにさほどしっくり来ていないところはありますが、ライブでの演奏やアルバムの流れを前提としたディレクションとしてはよく練られているなと。
12. ホワイトノイズ
9th配信シングル。
小笹さんによるハードなエレキギターが曲を引っ張っていくスリリングなロックナンバー。
昔ながらのシンプルなバンドサウンドに留まらず、さまざまな打ち込みの効果音は入っているものの、この曲を聴くとOfficial髭男dismって “ロックバンド” なんだなと実感します。
Blu-ray『SHOCKING NUTS TOUR selected from NIPPON BUDOKAN』での熱すぎる名演も必見です!
極めて個人的な感覚ですが、この曲を筆頭に「SOULSOUP」「Chessboard」など、比較的ストレートなバンドサウンドを打ち出している楽曲にはただならぬ安心感を覚えますね。
13. うらみつらみきわみ
パーソナルな愚痴をコミカルに描いた歌詞が印象的なファンクチューン。
勢いに溢れた陽気な曲調がとても楽しげで、制作現場でのわちゃわちゃとした空気感が伝わってきて頬が緩みます。
さりげなく挿入されたスティールパン(おそらく打ち込み?)の音色が個人的に大好きで、その箇所だけでご飯3杯はいけますね。笑
14. Chessboard
6thシングル『Chessboard/日常』両A面曲。
既出曲ですが、個人的には今アルバムのベストトラックです。
僕にとってこの曲がリリースされた2023年というのは、10年以上に及んだ心身の不調を脱することができた記念すべき1年で、25歳にして物事の捉え方や世の中の見え方が大きく好転したのですが、この「Chessboard」はそんな中で強く心に響きました。
ここで多くは語りませんが、《役に立たない思い出も 消したいような過去も いつかきっと色付くのでしょう》というフレーズにすべてが集約されている気がします。
マイ・ケミカル・ロマンス「Welcome To The Black Parade」を思わせるダイナミックな曲展開も素晴らしく、ぜひとも今後のヒゲダンを代表する強力なアンセムになっていってほしいと願うばかりです。
15. TATTOO
10th配信シングル。
ヒゲダンのルーツのひとつであるR&Bのテイストを強調したグルーヴィーな1曲です。
楢﨑・ちゃんまつ両名の強固なリズム隊、透明感のある小笹さんのギターフレーズ、分厚くも美しいコーラスワーク、そして何よりも底知れない藤原さんの圧倒的ソングライティング。
彼らの旨味を凝縮したような大名曲でしょう。
この曲を音楽的に語り尽くせるだけの語彙力が無いのが悔しいですが、もうほんと純粋に大好きです。
16. B-Side Blues
アルバムを締めくくる繊細なスローバラード。
ゴスペルの要素を感じさせるコーラスをはじめ、とにもかくにも “切ない” 1曲です…。
一発録りを決行したというバンドサウンドの生々しさは決して派手なものではないですが、ストリーミングではなくCDでじっくり聴きたくなる仕上がりですな。
この曲の演奏が鳴り止んだ後、その余韻に浸れることこそが今アルバム最大の “Rejoice” だなとしみじみ思います。
改めて、最高のアルバムをありがとうございます!
というわけで、アルバム全16曲分の感想をアウトプットしてまいりましたが、いかがでしたでしょうか?
この記事を綴ることを長らく躊躇うほどのアルバムの情報量の多さも、Official髭男dismがモンスターバンドである証左といえそうです。
ストリーミング全盛の時代にありながら、CDというメディアで新たなアルバムを堪能できることに改めて感謝ですね。
今回もここまでご覧いただきましてありがとうございました!


