本日のブログでは珍しく映画について綴ってみます。
先日のMr.Childrenの配信ライブのために加入したU-NEXTにて、せっかくだからとずっと観てみたかった映画を1本鑑賞したのでその感想をば…
その映画とは、1973年にアメリカ合衆国にて公開された『American Graffiti』。
ジョージ・ルーカス氏がメガホンを取り、つい先日亡くなられたボー・ホプキンスや、若き日のハリソン・フォードなども出演している青春映画ですね。
個人的には普段より映画を観るのがあまり得意ではないのですが(過激なアクションシーンやグロテスクな描写が大の苦手なので)、こういうテイストなら普通に観ることができるかも…と思いました。
最初から最後まで安心して鑑賞できたのがよかったです。
なんでまたこの映画?と思われる方もいると思うのですが、ここ数年は当ブログでもよく触れているように古き良きアメリカの音楽やカルチャーへの憧憬を抱いていることもあり、海外旅行へも行けない情勢ですからせめてイマジネーションだけでも…ということでそういったテーマ性の作品を音楽以外でも探していまして。
そうしたらこの映画に辿り着いたわけです。
ではざっと作品の背景とあらすじを。
初公開時のキャッチフレーズは「Where were you in ′62?」《1962年の夏、あなたはどこにいましたか》というもので、ルーカス監督が若き日を過ごした1960年代のカリフォルニア州が舞台となった作品。
1962年の夏、大学進学などの旅立ちを翌日に控えた若い登場人物たちによるワンナイトの出来事を同時進行で追った青春群像劇と呼べるストーリーです。
1962年というと今からちょうど60年前で、アメリカでいえばベトナム戦争の突入前、日本なら高度経済成長の真っ只中…ということを考えるとあまりに大昔な感覚がありますね。
なんといってもこの当時はビートルズでさえデビューしていないのですから(映画の時代設定から数ヶ月後の62年10月に「Love Me Do」でレコードデビュー)。
そんな時代のお話ですが、映画の内容としては特に大きな展開も起伏もなく普通な印象があります。
もちろん、古きアメリカの空気感が存分に伝わってきて面白い要素もあるのですが、無難といえば無難かなと。
先述のように過激なシーンが苦手な者としては、たとえ少し退屈でも安心して観られるほうがいいのですがね…笑
ただ忘れちゃならないのは、この映画の主役は50~60′sのオールディーズの名曲の数々であるということ!
劇中では次から次へと賑やかなアメリカンポップスが繰り出され、最高のBGMとして機能しています。改めて名曲だらけですね。
冒頭、車をぶっ飛ばすシーンで流れる「Runaway」の疾走感がいきなり素晴らしい!
ダンスパーティーのシーンは名作『Back to the Future』でも観たことがありますが、この空間で流れる「At The Hop」や「Johnny B. Goode」は格別なものがあります。
名曲「Smoke Gets In Your Eyes」は山下達郎のカバーで知っていましたが、本作で流れているのを聴いてより好きになりました。
「The Great Pretender」や「Only You (And You Alone)」もそうですが、プラターズのナンバーが大活躍の映画だなと。
かのビーチ・ボーイズは音楽シーンに出てきたばかりということもあり、劇中でお子様向けの音楽などと評されているのにも時代を感じますね。
66年のアルバム『Pet Sounds』で高い評価を得るまでの彼らって概ねそんな見方をされていたんでしょうかね?
あとは内容についても少々。
なんか全体的にL⇔Rの「NOW THAT SUMMER IS HERE -君と夏と僕のブルー・ジーン-」の歌詞のような世界観だなぁという印象で、随所にアメリカへの憧れを増幅させてくれる雰囲気があります。
また、アイスキャンデー(ポプシクル)が出てくるシーンはまさに「Bye Bye Popsicle -一度だけのNo.1-」。
実在する名ラジオDJ、ウルフマン・ジャックが本人役で出てくるシーンではサザンオールスターズの最初期の名曲「お願いD.J.」を連想しましたが、TV放送時の日本語吹替の際にはなんと桑田さんが彼の台詞を演じたみたいです。
小林克也さんと親交が深かったり自らも長年にわたってレギュラー番組を持っていたりと、僕にとっては桑田さんがラジオを身近なものにしてくれている気がします。
この作品のテーマに沿い、夜中の光景が大半を占めていたのですが、個人的にはこの時代のアメリカ郊外(カリフォルニア)の雄大な風景をもっと見たかった気もします。
登場人物たちの拠点となるドライブインでの光景はこれぞアメリカ~!って感じでメチャメチャ好きですね。
あと個人的に共感に程遠い部分としては、夜中に車を乗り回してデートするという今作の根幹を成す描写。
ほぼ同じ時代を舞台とした日本の小説『霞町物語』(浅田次郎 著) にもそんなシーンがありましたが、なんかいかにもこの時代の若者の遊び、という印象でした。
もっとも、それを言ってはこの作品の醍醐味は味わえない気もするのですが…。
そんなわけで今作はストーリーがどうこうというよりも、心地よい音楽と夜の風景を楽しむ映像として捉えたほうがいいように思えます。
オールディーズをはじめ、この時代のアメリカのポップカルチャーに興味のある人に強くオススメしたい映画です。


