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桑田佳祐「静かな春の戯れ ~Live in Blue Note Tokyo~」2021.3.7 ブルーノート東京 (無観客)

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桑田佳祐さんの配信ライブ『静かな春の戯れ ~Live in Blue Note Tokyo~』を3月7日に視聴しました!

いやはや、最高のライブでした!
個人的な好みも多分にあるでしょうけど、僕の数少ないライブ鑑賞歴(ほぼ配信ライブ…)でも屈指の名演でしたね。
贔屓にしているミュージシャンたちのライブ映像作品の数々を含めてもかなり上位に入ってくるかも。

本ライブの会場がブルーノート東京ということで、事前に “今回は少々オトナな感じで…” みたいな触れ込みがありましたが、その謳い文句に偽りのない名ライブでした。

これまでのソロコンサートにはあまり無かったような大人の余裕を感じさせる上質さが印象的で、自身が数十年間にわたってドームやアリーナで繰り広げてきたポップ・ロック的エンターテインメントショーとは一線を画す内容です。
じつにアーティスティックというか、とにかくオシャレでクールでカッコいいんだけど暖かみもあって、僕の好きな桑田さんがすべて詰まっているようなイメージ。
近年の活動だけみたらかなりの新境地と形容されてもいいでしょう。

ジャズテイストなオリジナル曲や歌謡曲のカバーを随所に盛り込むことで粋な雰囲気を醸し出していましたが、同時に決して落ち着きすぎず、生音重視ながらも予想されていたアンプラグド形式でなく、熟練のトッププレイヤー陣による演奏だけ聴くと練られたアレンジ面でとことん攻めているように感じました。
そのあたりが現役トップアーティスト・桑田佳祐のすごさですよね。

全体的にボーカルも絶好調で、曲によってはかなりシャウトがすごかったです。所々かなり吼えてましたね、鳥肌。

これまでとは明確に違うライブスタイルながらも、個人的には桑田佳祐というミュージシャンの真髄はむしろこちらのほうなのでは?とも勝手ながら感じました。
なにしろずっとギターを抱えていてカッコよかったんですよ。
ダンサーさんが居ても盛り上がって楽しいけれど、これ観ちゃうとそのスタイルはサザンだけで充分という気もしてきました。
完全に僕の好みの問題でしかないですが、今後のソロライブは基本的に大箱でもこの方向性(+α)で良いという感想が浮かびましたね。

前置きが長くなりましたが、とにもかくにも非の打ち所のない最高のライブだったことは強調させていただきます!
貫禄と渋みを存分に感じさせながらも新鮮で瑞々しく、こういう桑田さんを待っていた!という会心の名演、本当に感動しました。
コロナ禍でもここまでのクオリティでライブを届けてくれたことに心から感謝いたします。

それでは内容の方へまいりましょう!



今回のライブは事前収録であることがあらかじめ伝えられており、途中でインタビューが挟まれたりもしているので、完全な生ライブというよりは最初から映像作品っぽい構成でした。

セットリストは前半を中心にアルバム曲が並ぶなどかなりマニアックなものでしたが、よく見ると、2000年代以降の比較的新しい曲が多め。
各楽曲の歌詞に着目すると、コロナ禍だったり東日本大震災から10年という意識も多分にあるような選曲に感じられました。

1曲目「ソバカスのある少女」はいきなりのカバー曲。
恥ずかしながら知らない曲でしたが、オリジナルのティン・パン・アレーというバンドはなんと松任谷正隆細野晴臣が所属していて、ユーミンの1stアルバム『ひこうき雲』の制作陣だったキャラメル・ママの後身でした!
改めて原曲も聴きましたが、とてもオシャレで味わい深い曲ですね。桑田さんの名演と甲乙つけ難いです。

以後はしばらくオリジナル曲。
「孤独の太陽」「DEAR MY FRIEND」など、これまでライブで披露されたことも少ないようなレア曲が冒頭から目白押し。この2曲は本当に素晴らしかった!
「若い広場」も久々に聴きましたがほのぼのとした良い曲ですね、合唱があたたかい。

「こんな僕で良かったら」「簪/かんざし」は近年のジャズテイストな隠れ名曲ですね。
まさに今ライブのためにあるようなアレンジ。

一方、「愛のささくれ」「SO WHAT?」「東京ジプシー・ローズ」といったソリッドな音像も見事にライブ映えしていました!
先述のように今回はそもそもアンプラグドではないので、誠さんと桑田さんのエレキギターがかなり攻撃的なのも鳥肌モノでした。
ただの大人向けコンサートでは終わらせない、と言わんばかりの緊張感に溢れた名演

中盤のハイライトのひとつである「グッバイ・ワルツ」「月光の聖者達」はともに2010年、桑田さんが大病をされた時に制作中だった傑作アルバム『MUSICMAN』からの選曲。
この流れはマジで涙が出るほど感動!
いずれも歌詞がコロナ禍の現状に響くものになっていて、まるで現代社会へのエールのようでした。
桑田さんの病や東日本大震災から時を経た今も心に沁みる名曲だなとあらためて感じました。
《変わりゆく世の中を嘆くなよ》《現在(いま)がどんなにやるせなくても 明日は今日より素晴らしい》。

ここで暫しのカバーコーナーへ。
「かもめ」「灰色の瞳」も知らない曲でしたが、どちらもすごく良い!
前者は昔にTwitterのフォロワーさんが好きなシンガーに浅川マキさんを挙げていたこともあり、こんな曲を唄う人だったのか!という感慨がありました。歌声とサウンドが初期の中島みゆきっぽい。
後者は元はアルゼンチンの曲とな…確かに音階がフォルクローレだ!
こういうカバーって、いろんな音楽に興味を持つきっかけになるから素敵だよね。

カバーコーナー明けは「東京」でスタート。スタジオ音源をベースとしながらもさらに迫力の増した演奏が圧倒的!
『ヨシ子さん』のシングルに入ったビッグバンドverも素敵だったけれど、やはりこの怨念渦巻くオリジナルアレンジが至高。

曲説MCを挟んで披露されたのは、初演奏となった「SMILE~晴れ渡る空のように~」
シンセを押し出したスタジオ音源とはやや異なり、ピアノとエレキギター、ドラムの生々しい音が目立ったアレンジに。どうやらテンポも少し速いらしい。
もう…これは…泣いた。YouTubeで公開されているオリジナルを何十回と聴いても、このアーカイブを見ながら記事を書いていても涙が溢れて仕方ない…。
スタッフさんが皆で拳を突き上げているのにもグッときました。
みんな、辛い事ばかりかもしれないけど頑張ろうな…!

お次は「明日へのマーチ」、これは震災から10年というタイミングでの選曲かな。
歌詞も素敵だし、今回のバンドアレンジがやはりすごく良いです。

このライブを通してだけど、最高の演奏陣の中でもカースケさんのドラムプレイがズバ抜けて素晴らしかったな。
いつだったかコブクロの黒田さんも話していたけど、カースケさんのプレイは力を込めすぎていないのに重く響くのがすごいなと毎度感じますね。

さて、ここからは盛り上がりブロックです!

スタジオ音源はドラムが打ち込みだった「大河の一滴」は生演奏だと迫力が段違い。
山本拓夫さんのフルートも間奏のセリフもだけど、とにかく演奏陣の集中力が爆発しまくっていました。最高すぎる。

「スキップ・ビート」も新たなアレンジでますますカッコよくなりましたね、この曲は一緒に観ていた母もノリノリだった!
親世代の青春時代である35年前のヒット曲を、息子が自らの“青春の1曲”として愛聴し、こういう場で一緒に盛り上がれるのが不思議な感覚だなぁ….と言われましたよ笑

本編最後の「真夜中のダンディー」は少し明るくなったかな?という印象でしたが、男臭いバンドアレンジが変わらず最高です!
片山さんのスタイリッシュなピアノと、桑田さんのギターソロからの山本さんのサクソフォーンでご飯3杯はいけるね。

ここでインタビューを挿入。
ライブに向けた桑田さんの意気込みが語られています。
桑田さんの語る原点回帰、大成功だと思います

アンコールは再びカバーでスタート。
「IKO IKO」も知らない曲だった…アメリカ・ニューオーリンズ発祥のフォークナンバーだそうです。洋楽を好きになった者として、これは覚えておかねば。

そこからの「ヨシ子さん」をまさかのテレキャスで…笑
ダンサーさんも居なかったけど、あのカオスな無国籍曲がめちゃくちゃカッチョいいロックナンバーに生まれ変わっていて最高でした!
歌詞を気にしなければビリー・ジョエルあたりが唄っているのをイメージしても違和感ない感じ。

次のカバーはわたくし知っていましたよ!
沢田研二「君をのせて」。この曲はなんといってもASKAのカバーver.(ソロワークスの名盤『NEVER END』収録)が印象深い…というかそれでこの曲を知った。
ジュリー、ASKAさん、桑田さんの歌声を聴き比べるのもまた一興です。

小林武史の色褪せないサウンドメイキングが印象的なソロデビュー曲「悲しい気持ち」も現代のバンドアレンジで鮮やかにブラッシュアップされていて、メロディーの良さが際立ちます。
ますますその名曲ぶりに拍車がかかりますね。

大トリを飾ったのは永遠の大名曲「明日晴れるかな」
文句なしのソロ最高傑作というか、J-POP界においてこれ以上に確かな希望を感じられる楽曲を僕は知らない。
何百回と聴いてきたけど、いつもあたたかな涙が溢れそうになるんだよな。今もアーカイブ観ながらこれを書いていて涙腺ヤバいっす。
辛い中でも希望を絶やさず毎日を生きたいよね。そのための元気をもらいました!
最高のラストです!



というわけで2時間に及ぶ大充実のライブが終了。
エンドロールで流れた「春まだ遠く」も聴きたかった…!

いやしかし何回観ても飽きないどころか、観るたびに新鮮な感動があります。
絶対にBlu-ray化してほしいです…

桑田さんのライブとしても最高だったけれど、いつかこのブルーノート東京でいろんなミュージシャンの演奏を聴きたいな!

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