どうもこんにちは、やたろです。
今回の記事ではニューアルバム『産声』のリリースを記念して、Mr.Childrenがこれまでに発表した歴代のアルバム作品を一挙に振り返ってまいります!
私見も多分に含まれますが、本記事を通じてMr.Childrenの音楽をコアな部分まで掘り下げてみたいと思っていただける方がいらっしゃれば何よりも幸いです。
それでは早速まいりましょう!
1st『EVERYTHING』
1992年5月10日 TOY’S FACTORY
最高25位
Produced by 小林武史
ロード・アイ・ミス・ユー / Mr. Shining Moon / 君がいた夏 / 風〜The wind knows how I feel〜 / ためいきの日曜日 / 友達のままで / CHILDREN’S WORLD
デビューアルバム。
全7曲というミニアルバム編成の作品ですが、公式には1stアルバムとして扱われています。
以後、周年記念のライブやリリースなどは本作の発売日が起点となるため、Mr.Childrenにとって原点と位置づけられる重要作です。
8月に「君がいた夏」が1stシングルとしてリカットされました。
記念すべき最初の1枚ですが、Mr.Childrenのパブリックイメージから大きく逸れることのないポップで聴きやすい作品に仕上がっています。
アートディレクションを信藤三雄氏が手掛け、小林武史氏による音作りもネオアコ色が強かったりと、いわゆる渋谷系の文脈で語られることも多いアルバムですね。
「ロード・アイ・ミス・ユー」のイントロのカッティングはThe Police「Roxanne」と同じフレーズで、続く「Mr. Shining Moon」もメロウなAORテイスト…といった具合に、全編を通して洋楽からの影響を感じさせる洗練されたポップサウンドが心地よいです。
この方向性は次作『Kind of Love』で大きくブラッシュアップされるので、本作はやがて日本屈指となりゆくモンスターバンドにとってのあくまでも序章というべきポジションに収まるかなと。
私的満足度:★★★☆☆
初心者向け:★★★☆☆
2nd『Kind of Love』
1992年12月1日 TOY’S FACTORY
最高13位
Produced by 小林武史
虹の彼方へ / All by myself / BLUE / 抱きしめたい / グッバイ・マイ・グルーミーデイズ / Distance / 車の中でかくれてキスをしよう / 思春期の夏〜君との恋が今も牧場に〜 / 星になれたら / ティーンエイジ・ドリーム (I〜Ⅱ) / いつの日か二人で
2ndにして初のフルアルバムです。
同時発売のシングル「抱きしめたい」を収録。
リリース当時は2週のみのチャートインでしたが、「CROSS ROAD」での大ブレイクを皮切りに再浮上し、最終的にミリオンヒットを達成するロングセラーとなりました。
前作のポップな雰囲気を継承しつつも、1曲1曲の完成度をグッと引き上げたような初期の名盤。
エルヴィス・コステロ色の強いパワーポップ「虹の彼方へ」から掴みはバッチリで、ベースラインが印象的なファンクナンバー「All by myself」、前作の系譜に連なるアダルティな「BLUE」「Distance」、屈指の名バラード「抱きしめたい」、鈴木さんがボーカルを取る「思春期の夏〜君との恋が今も牧場に〜」、寺岡呼人氏と共作した大名曲「星になれたら」など、各楽曲のキャラクターが際立っていて聴き応えがあります。
青年期のほろ苦い感情を描写した「ティーンエイジ・ドリーム (I〜Ⅱ)」は最初期ならではの秀作ですし、アルバム全体としても若さゆえの眩しさが伝わる貴重な1枚。
私的満足度:★★★★☆
初心者向け:★★★★☆
3rd『Versus』
1993年9月1日 TOY’S FACTORY
初登場3位
Produced by 小林武史
Another Mind / メインストリートに行こう / and I close to you / Replay / マーマレード・キッス / 蜃気楼 / 逃亡者 / LOVE / さよならは夢の中へ / my life
3rdアルバム。シングル「Replay」を収録。
徐々に人気上昇の兆しを見せ、本作では初登場3位と一気に躍進。
前2作と同様、大ブレイク期においてロングセールスを記録しました。
前作までの甘酸っぱいポップス路線に加え、本作には暗めの雰囲気を纏った楽曲も多く収められていて一気に深みが増した印象を受けます。
1曲目の「Another Mind」から攻撃的なバンドサウンドや内省的な詞が炸裂し、以降はそれほどの重さは無いものの、アルバムタイトルに即して明るくキャッチーなポップスと少し陰のあるナンバーが交互に繰り出される構成となります。
ビートルズの「Come Together」を彷彿とさせる「蜃気楼」、鈴木さんがボーカルを取るレゲエチューン「逃亡者」などアルバム曲を中心に振れ幅の広さを見せつつも、やはり「Replay」「メインストリートに行こう」「LOVE」「my life」といったポップな楽曲の持つ安定感はとてつもないです。
ブレイク途上にありながらも今となっては若干地味な佇まいのアルバムですが、コアなリスナーほど聴きどころの多い佳作だと思いますね。
私的満足度:★★★☆☆
初心者向け:★★☆☆☆
4th『Atomic Heart』
1994年9月1日 TOY’S FACTORY
初登場1位
Produced by 小林武史
Printing / Dance Dance Dance / ラヴ コネクション / innocent world / クラスメイト / CROSS ROAD / ジェラシー / Asia(エイジア) / Rain / 雨のち晴れ / Round About〜孤独の肖像〜 / Over
4thアルバム。
一気にミリオンを突破した大ヒットシングル「CROSS ROAD」「innocent world」を収録し、いわゆる“ミスチル現象”の只中にてリリースされたこともあって自己最高セールスとなる343万枚をマーク。
時代の寵児としてのMr.Childrenを象徴する特大ヒット作となりました。
ついに大ブレイクを果たし、桜井さんのソングライティングも小林さんによる編曲にも大きな変化が生じます。
ブレイク作「CROSS ROAD」も最初期寄りの曲構成でありながら生音を中心としたアレンジの作り込みが尋常ではないですし、「innocent world」に至っては小林さんのアドバイスにより桜井さんの内面を曝け出したアプローチで歌詞を練り上げ、結果として清涼感のある曲調とともに広く世間に受け入れられたのです。
そうした先行シングルのフレッシュさや実直なメッセージ性だけに留まらず、アルバムとしても大きくスケールを拡げた意欲作となっています。
効果的なインストの配置や、デジタルサウンドを導入したアリーナロック「Dance Dance Dance」の新境地ぶりからもMr.Childrenというバンドのターニングポイントを予感させますが、他にはこれに準ずる「ジェラシー」「Asia」「雨のち晴れ」といった中盤の実験的なサウンド作りが目立つ程度で、もちろんのこと従来のミスチルらしいキャッチーな楽曲も健在です。
「クラスメイト」「Over」は最初期の方向性を磨き上げたラブソングですが、ローリング・ストーンズを意識した「ラヴ コネクション」やブルース・スプリングスティーンを彷彿とさせる「Round About〜孤独の肖像〜」といったロックチューンの切れ味もまた素晴らしく、全体的にはデビュー以来のポップ路線の進化系とダイナミックな実験テイストがうまく融合した傑作と呼んで差し支えないでしょう。
個人的には指折りで好きなアルバムとまではいかないものの、時代を象徴する名盤であることに疑いの余地はありません。
私的満足度:★★★★☆
初心者向け:★★★★☆
5th『深海』
1996年6月24日 TOY’S FACTORY
初登場1位
Produced by 小林武史 & MR.CHILDREN
Dive / シーラカンス / 手紙 / ありふれたLove Story~男女問題はいつも面倒だ~ / Mirror / Making Songs / 名もなき詩 / So Let’s Get Truth / 臨時ニュース / マシンガンをぶっ放せ / ゆりかごのある丘から / 虜 / 花 -Mémento-Mori- / 深海
5thアルバム。
シングル「名もなき詩」「花 -Mémento-Mori-」を収録。
ただし前作以降、1994〜95年にリリースされたヒットシングル「Tomorrow never knows」「everybody goes -秩序のない現代にドロップキック-」「【es】〜Theme of es〜」「シーソーゲーム〜勇敢な恋の歌〜」は本作には未収録となり、次作『BOLERO』に収められました。
「マシンガンをぶっ放せ」は同年8月にマキシシングルとしてリカット。
バンド初のコンセプトアルバム。
その大部分をニューヨークのウォーター・フロント・スタジオにてヴィンテージ機材を用いてレコーディングし、全編を通じてバンド感にこだわりアナログサウンドに重きを置いた力作です。
多くのヒットシングルを敢えて収録せず、曲間が繋がっていたりインストやSEの絶妙な配置など、トータルで “深海” という無二の世界観へ浸れる芸術性に富んだ名盤となっています。
4人組ロックバンド・Mr.Childrenの萌芽が見て取れるというポジティブな側面もありますが、当時の桜井さんの心境を反映した作風は極限まで暗く重たいものになりました。
“ミスチル現象”とまで呼ばれた大成功を手にしながらも、彼の中には絶望や虚無感しか残らず、想像を絶する苦悩を抱えていたことが本作収録曲の歌詞から窺えます。
アルバムのテーマ性を集約した「シーラカンス」や「深海」ではヒステリックなシャウトがただならぬ混沌を演出し、かつてのポップス路線との決別とも解釈できる「ありふれたLove Story」やアマチュア時代のレパートリーをピックアップした「ゆりかごのある丘から」はピュアな愛を真っ向から否定するかのように生々しく、「マシンガンをぶっ放せ」「So Let’s Get Truth」といった社会批判のアプローチで描かれた曲もまた非常に刺激的です。
大ヒットシングル「名もなき詩」や穏やかな「Mirror」のように聴きやすい楽曲も存在し、どの曲にも一定のメロディアスさはありますが、バンドサウンドのダイナミズムを強調したことがアルバム全体のダークさを増幅させているのも確かで…。
終盤に位置する「花 -Mémento-Mori-」が微かな希望を提示する歌に聴こえるのも、コンセプトアルバムの妙ですね。
トータルでの完成度はミスチル全史において最高峰な上、バンドの歴史にも多大な影響を及ぼした文字通りの重要作といっていいでしょう。
個人的にも鬱屈とした10代の頃の心境と見事にリンクしたことで狂ったようにリピートした思い出深い1枚ですし、本作が無ければここまでMr.Childrenにのめり込んでいなかったと思います。
辛い時に無理やり前を向くのではなく、一緒に人生を悲観させてくれたという意味でも、誇張なしに替えの利かない大切な名盤です。
私的満足度:★★★★★
初心者向け:★★★☆☆
6th『BOLERO』
1997年3月5日 TOY’S FACTORY
初登場1位
Produced by 小林武史 & Mr.Children
prologue / Everything (It’s you) / タイムマシーンに乗って / Brandnew my lover / 【es】〜Theme of es〜 / シーソーゲーム〜勇敢な恋の歌〜 / 傘の下の君に告ぐ / ALIVE / 幸せのカテゴリー / everybody goes -秩序のない現代にドロップキック- / ボレロ / Tomorrow never knows (remix)
6thアルバム。
前作『深海』に未収録となったヒットシングル「Tomorrow never knows」「everybody goes -秩序のない現代にドロップキック-」「【es】〜Theme of es〜」「シーソーゲーム〜勇敢な恋の歌〜」、アルバム1ヶ月前の先行シングル「Everything (It’s you)」を収録。
『深海』に続いて初週150万枚オーバー、累計では『Atomic Heart』以来の300万枚突破を果たすなどメガヒットを記録しましたが、本作をもって一時的な活動休止を発表し、セールス面でのバブル現象は収束することとなります。
『深海』から漏れたヒットシングルを大量収録したり、アルバム曲に関してもやや明るめの音色に彩られたサウンドメイキングがなされるなど、どこかベストアルバムのような佇まいが印象的な1作。
しかし初出の新曲は相変わらず混沌とした歌詞世界が展開しており、「タイムマシーンに乗って」「傘の下の君に告ぐ」での社会批判や「Brandnew my lover」の過激さ、「ALIVE」に託された厭世観、ポップな曲調とは裏腹に冷めきった愛が歌われる「幸せのカテゴリー」など、前作以上に苦悩が滲み出た作品も多いのです。
この辺りは「ボレロ」、そして「Tomorrow never knows」という終盤の並びで幾分か丸く収まった部分もあるような。
既出シングルも含め、ロックバンドらしいサウンドには聴き応えがありますし、この時期にしか生み出せなかったであろう名曲揃いのため、未聴の皆さまはぜひ “オリジナルアルバム” として本作の旨味をご堪能ください。
私的満足度:★★★★★
初心者向け:★★★★☆
7th『DISCOVERY』
1999年2月3日 TOY’S FACTORY
初登場1位
Produced by 小林武史 & MR.CHILDREN
DISCOVERY / 光の射す方へ / Prism / アンダーシャツ / ニシエヒガシエ / Simple / I’ll be / #2601 / ラララ / 終わりなき旅 / Image
7thアルバム。
活動休止中にリリースされたシングル「ニシエヒガシエ」、再始動後の「終わりなき旅」「光の射す方へ」を収録。
「I’ll be」は同年5月、リアレンジされた別バージョンでシングルカットされました。
U2やRadioheadといったロックバンドからの影響、休止期間に桜井さんが導入したProToolsでの楽曲制作が功を奏し、終始オルタナティブなバンドグルーヴが炸裂するアルバムとなりました。
Mr.Children随一のハードさを持つロックアルバムといっても差し支えないレベルで、特に高音シャウト連発の「#2601」は他に類を見ない激しさがあります。
休止を経てもなお「Prism」のように迷いの心情を投影した楽曲も存在するものの、全体的には『深海』『BOLERO』の頃よりも4人全員が伸びやかに音を鳴らしている印象もありますね。
とはいえかなり複雑でヘビーなサウンドが続くので、暗さを払拭しきれていない部分もありますが、「Simple」「ラララ」といったアコースティックな楽曲の持つ柔らかさはこれ以前にはなかった特色かもしれません。
「終わりなき旅」「I’ll be」「Image」のようなファン人気の高いメッセージソングもこれ以降のMr.Childrenに繋がる持ち味となり、やはり一度リセットしたことでいくらか吹っ切れて風通しが良くなったところはあるのかなと。
個人的には10代の頃、絶望からの再起という意味合いでとても励ましをいただいたアルバムですが、一方でトータルでのヘビーな質感はコアファンにこそ刺さるポイントかなと感じました。
私的満足度:★★★★☆
初心者向け:★★☆☆☆
8th (Live Album) 『1/42』
1999年9月8日(限定生産) TOY’S FACTORY
初登場1位
Produced by 小林武史 & Mr.Children
【DISC-1】DISCOVERY / アンダーシャツ / 名もなき詩 / Prism / Everything (It’s you) / I’ll be / 花 -Mémento-Mori- / Simple
【DISC-2】ラヴ コネクション / Dance Dance Dance / ニシエヒガシエ / ラララ / Tomorrow never knows / 終わりなき旅 / 光の射す方へ / innocent world / Image / 抱きしめたい
8thアルバム。
50万枚限定生産となるライブ盤ですが、公式には8作目のアルバムとしてカウントされています。
『Mr.Children TOUR ’99 “DISCOVERY”』1999年6月26日の真駒内アイスアリーナ公演の模様がメインで収録されており、ボーナストラックとして収められた「抱きしめたい」は同年7月10〜11日の沖縄宜野湾市海浜公園野外劇場公演での音源。
現在は廃盤となっているほか、ダウンロード・ストリーミングでも未配信。
過去一ロックなアルバム『DISCOVERY』を引っ提げたツアーのライブテイクということで、当時のMr.Childrenらしい重厚なバンドサウンドが響き渡っていてどこまでもカッコいいです。
とりわけ冒頭2曲の繋ぎや「ニシエヒガシエ」の間奏は鳥肌モノですし、耳馴染みのあるヒットシングルの数々もかなりソリッドに生まれ変わっていて、これぞロックバンドのライブという仕上がり。
サポートギターに河口修二氏が参加されていた時期のため、エレキギター3台での分厚いグルーヴが聴けるのも今となっては貴重ですね。
王道ポップスやバラードのイメージが強いリスナーにこそ聴いてほしい作品ですが、現在は中古でしか入手できないんですよね。惜しい。
私的満足度:★★★★☆
初心者向け:★★☆☆☆
9th『Q』
2000年9月27日 TOY’S FACTORY
初登場2位
Produced by 小林武史 & Mr.Children
CENTER OF UNIVERSE /その向こうへ行こう / NOT FOUND / スロースターター / Surrender / つよがり / 十二月のセントラルパークブルース / 友とコーヒーと嘘と胃袋 / ロードムービー / Everything is made from a dream / 口笛 / Hallelujah / 安らげる場所
9thアルバム。
前作収録曲のバージョン違いだったシングル「I’LL BE」は本作に入らず、2000年になってからリリースされた「口笛」「NOT FOUND」を収録。
同日リリースの浜崎あゆみ『Duty』に敗れてオリコン最高位は2位、累計もミリオンに届かないなど、一時期に比べると人気が落ち着いたことを感じさせるチャートアクションとなりました。
前作までの重たさが一気に払拭され、久しぶりに肩の力の抜けた作風になった…のはいいのですが、かなり自由な作風で従来のMr.Childrenからするとまたしても新たな方向性。
これといった意味を持たないアルバムタイトルに始まり、ダーツでテンポを決定、間奏に語りを挿入、まくし立てるようなメロディーラインなど、『深海』以降の流れからは考えられないような斬新な試みが連発されます。
あくまでもコアファンから絶大な支持を集めるマニアックな名盤、というポジションで個人的にも大好きなアルバムですが、売れ線には程遠くセールスが振るわなかったのも納得できるところはありますね…。
ただし「口笛」「つよがり」「ロードムービー」「安らげる場所」といった美メロはどれも珠玉の名曲ですし、「NOT FOUND」や「Hallelujah」もスリリングな展開ながらも今までにない勢いを携えた傑作、さらには聴き込むにつれて「CENTER OF UNIVERSE」「友とコーヒーと嘘と胃袋」などのアクの強さの虜になること請け合い。
私はミスチルファンになって早々にドハマリしましたが、一般リスナーにはあまり自信を持って薦められる作品ではないかな…。
私的満足度:★★★★★
初心者向け:★★☆☆☆
Best『Mr.Children 1992-1995』
2001年7月11日 TOY’S FACTORY
初登場1位
Produced by 小林武史 & Mr.Children
君がいた夏 / 星になれたら / 抱きしめたい / Replay / LOVE / my life / CROSS ROAD / innocent world / Dance Dance Dance / 雨のち晴れ / Over / Tomorrow never knows / everybody goes -秩序のない現代にドロップキック- / 【es】〜Theme of es〜 / シーソーゲーム〜勇敢な恋の歌〜
1stベストアルバム。『Mr.Children 1996-2000』と同時発売。
収録範囲内である1st「君がいた夏」から9th「シーソーゲーム~勇敢な恋の歌~」までの全シングルに加え、アルバム曲もいくつか収められています。
デビューから “ミスチル現象” と呼ばれた大ブレイクに至るまでの、ピュアな名ポップスをおさらいしたいリスナーにはうってつけといえる決定盤。
バンドの飛躍を時系列で追体験できる並びになっていて、クオリティにどんどん磨きがかかってスケールが拡大していくさまを見て取れる圧巻の名曲揃いです。
2026年現在、ベストアルバムは6作出ていてどの時期も甲乙つけ難いですが、最初に聴くなら順当に本作かなと。
私的満足度:★★★★★
初心者向け:★★★★★
Best『Mr.Children 1996-2000』
2001年7月11日 TOY’S FACTORY
初登場2位
Produced by 小林武史 & Mr.Children
名もなき詩 / 花 -Mémento-Mori- / Mirror / Everything (It’s you) / ALIVE / ニシエヒガシエ / 光の射す方へ / 終わりなき旅 / ラララ / つよがり / 口笛 / NOT FOUND / Hallelujah
2ndベストアルバム。『Mr.Children 1992-1995』と同時発売。
収録範囲内である10th「名もなき詩」から19th「NOT FOUND」までのヒットシングルに加え、アルバム曲もいくつか収められていますが、リカットシングルである12th「マシンガンをぶっ放せ」と17th「I’LL BE」は未収録となりました。
『Mr.Children 1992-1995』期のイノセントなポップス路線からロックバンドへとステップアップし、ただ逞しくなっただけではなく桜井さんの苦悩や複雑な曲構成が随所にみられるようになったいわゆる“深海”期。
ただし本作はあくまでもベストアルバムという観点からか、混迷を極めたヘビーな楽曲の収録を最小限に留め、敢えて穏やかなナンバーを配置している様子が窺えます。
アルバムの中でこそ輝く小品といえる「Mirror」や「ラララ」を入れるよりは、リカットシングルである「マシンガンをぶっ放せ」「I’LL BE」も網羅するほうがベスト盤らしい選曲かと思いますし、バラードが続く後半は聴いていて少し間延びする印象も。
そもそもがコアファンにこそ好まれる時期と思われるので、本作で完結するよりもオリジナルアルバムを辿ることによってロックバンド・Mr.Childrenの真髄に迫れると思います。
私的満足度:★★★★☆
初心者向け:★★★★★
10th『IT’S A WONDERFUL WORLD』
2002年5月10日 TOY’S FACTORY
初登場1位
Produced by 小林武史 & MR.CHILDREN
overture / 蘇生 / Dear wonderful world / one two three / 渇いたkiss / youthful days / ファスナー / Bird Cage / LOVE はじめました / UFO / Drawing / 君が好き / いつでも微笑みを / 優しい歌 / It’s a wonderful world
10thアルバム。
ベストアルバム以降のシングル「優しい歌」「youthful days」「君が好き」を収録。
前作『Q』では達成できなかったミリオンセラーに返り咲き、CD不況の中で著しい人気回復を実現しました。
ベスト盤のリリースを経て、複雑でマニアックな楽曲作りから王道ポップス路線へと回帰。
といっても初期の模倣ではなく、メンバーと小林さんによるガッシリとしたサウンド構築のもとでフックの強いメロディアスな名曲が次々と繰り出されました。
再出発を誓ったシングル「優しい歌」のまっすぐな力強さや、本作での「overture」から「蘇生」という流れで “深海” 期以降の迷いを打ち砕いたイメージがあり、ここにきてのセールスの回復も頷ける瑞々しい勢いに溢れています。
ポップな曲の急増とともにロックバンド色は減退しましたが、「Bird Cage」「LOVE はじめました」といった毒々しいナンバーからは “深海”期の余波を感じますし、アルバム全体としては次作『シフクノオト』のほうがいろんな意味で “復活” を感じられるところはありますね。
本作の魅力は桜井さんの作るポップな楽曲に小林さんが多彩なアレンジメントで味付けをしたスタイリッシュな作風にこそあると思うので、バンド・Mr.Childrenの作品という印象はあまり強くはないです。
私的満足度:★★★★☆
初心者向け:★★★★☆
11th『シフクノオト』
2004年4月7日 TOY’S FACTORY
初登場1位
Produced by 小林武史
言わせてみてぇもんだ / PADDLE / 掌 / くるみ / 花言葉 / Pink〜奇妙な夢 / 血の管 / 空風の帰り道 / Any / 天頂バス / タガタメ / HERO
11thアルバム。
シングル「Any」「HERO」「掌/くるみ」を収録。
「Any」リリース直後のタイミングで桜井さんが小脳梗塞を発症し、休養を余儀なくされたものの年内には復活ライブを行い、活動再開に至っています。
耳触りのよいポップスでありながらアート性の強さも目立った前作からは少し趣向が変わり、いつになくカジュアルでバンド感の強いアルバムとなりました。
桜井さんの病気を経て、歌詞のタッチはソフトなものへと変化していきましたが、アルバムタイトルに即して各収録曲は割と素朴ながらもどっしりと力強いイメージ。
アルバム曲を中心に派手さのない等身大な作品の集合体…という印象もありますが、「PADDLE」の爽快さや「タガタメ」のスケール感は今までにない境地でもあり、やはり聴きやすさはそのままにバンドサウンドが躍動しているところは大きなポイントです。
個人的にアルバムとして最上位というほどではないですが、名実ともに2000年代のミスチルを代表する名盤といって差し支えないでしょう。
私的満足度:★★★★☆
初心者向け:★★★★☆
12th『I♥U』
2005年9月21日 TOY’S FACTORY
初登場1位
Produced by 小林武史
Worlds end / Monster / 未来 / 僕らの音 / and I love you / 靴ひも / CANDY / ランニングハイ / Sign / Door / 跳べ / 隔たり / 潜水
12thアルバム。
シングル「Sign」、そして『四次元 Four Dimensions』から「未来」「and I love you」「ランニングハイ」を収録。
収録範囲内のA面では「ヨーイドン」のみがアルバム未収録曲として取り残される事態となりました。
前作よりもさらに激しく生々しいバンド感を押し出したロックアルバム。
2004年に結成されたBank Bandでは鳴らせない音を…との意気込みで制作が進んだといい、クライマックス級のリードトラック「Worlds end」を筆頭に「Monster」「ランニングハイ」「Door」など叫びに近いシャウトが連発される曲がだいぶ目立ちます。
「未来」もCMでお馴染みのキャッチーなサビからは想像もつかないようなブルージーなAメロが強烈ですし、シューゲイザーを意識したような「潜水」も穏やかでいて一癖ある名作。
メロウな代表曲「Sign」はもはや前作のほうが収まりが良かったのではというレベルですが、これ以降はロックバンドとしての側面を強調したアルバムはしばらくご無沙汰となるんですよね。
メンバー自身の手応えも良く、近年に至るまでライブでピックアップされるナンバーも極めて多いですが、私個人としては本作を聴き返す機会は比較的少ないです。
私的満足度:★★★☆☆
初心者向け:★★★☆☆
13th『HOME』
2007年3月14日 TOY’S FACTORY
初登場1位
Produced by 小林武史
叫び 祈り / Wake me up! / 彩り / 箒星 / Another Story / PIANO MAN / もっと / やわらかい風 / フェイク / ポケット カスタネット / SUNRISE / しるし / 通り雨 / あんまり覚えてないや
13thアルバム。
シングル「箒星」「しるし」「フェイク」を収録。
依然としてセールスは好調で、何気にこれまで達成していなかった年間アルバムチャート1位を本作にて記録しています。
本作ではここのところ強調されていたバンド感が少し薄まり、より色彩豊かで上質な生音に彩られた穏やかなアルバムになりました。
前作までの流れを汲んだ「箒星」の疾走感や「フェイク」の実験テイスト、攻撃的なジャズナンバー「PIANO MAN」など刺激的な曲もあるものの、基本的にはメロウなバラードが大半を占める形でポップ色が強まりました。
多くの楽曲でブラスアレンジが目立つ辺りには初期回帰的な側面もありますが、本作を引っ提げたツアーからプレイヤーとしても参加することになる小林さんの影響力がますます強まったところは否めません。
全体的にとても聴きやすく、オーガニックで美しいサウンドに多幸感を味わえる名盤ですが、一方でこれ以降のミスチルの方向性に影響を及ぼした分岐点でもありますね。
私的満足度:★★★★☆
初心者向け:★★★★☆
14th (C/W Collection) 『B-SIDE』
2007年5月10日 TOY’S FACTORY
初登場1位
Produced by 小林武史 & Mr.Children
【DISC-1】君の事以外は何も考えられない / my confidence song / 雨のち晴れ Remix version / フラジャイル / また会えるかな / Love is Blindness / 旅人 / デルモ / 独り言 / Heavenly kiss / ニシエヒガシエ EAST Remix
【DISC-2】1999年、夏、沖縄 / 花 / さよなら2001年 / I’m sorry / 妄想満月 / こんな風にひどく蒸し暑い日 / ほころび / my sweet heart / ひびき / くるみ -for the Film- 幸福な食卓 / ニシエヒガシエ WEST Remix
14thアルバム。
アルバム未収録のカップリング曲を集めたコンピレーション盤ですが、『1/42』同様に正規のアルバムとしてカウントされています。
C/W、それもオリジナルアルバムから漏れた曲が一堂に会したということで売れ線J-POPから距離を置いたマニアックなナンバーが多くみられます。
「旅人」「Heavenly kiss」「1999年、夏、沖縄」「ひびき」といった隠れた名曲も点在しており、マニアックなアプローチにも聴き応えは充分にあるものの、基本的にはコアファン向けのアイテムといえるでしょう。
あと「I’LL BE」「ヨーイドン」はこの機会にアルバム収録しておいてほしかったというのもありますが、ストリーミングで全作が解禁された今となってはさほど有難味を感じられなくなったかも。
私的満足度:★★☆☆☆
初心者向け:★★☆☆☆
15th『SUPERMARKET FANTASY』
2008年12月10日 TOY’S FACTORY
初登場1位
Produced by 小林武史 & Mr.Children
終末のコンフィデンスソング / HANABI / エソラ / 声 / 少年 / 旅立ちの唄 / 口がすべって / 水上バス / 東京 / ロックンロール / 羊、吠える / 風と星とメビウスの輪 / GIFT / 花の匂い
15thアルバム。
シングル「旅立ちの唄」「GIFT」「HANABI」「花の匂い」を収録。
前作『HOME』の穏やかさはそのままに、小林さんによる華やかなポップ色を加味した王道J-POPド真ん中の傑作。
最大の代表曲へと成長した「HANABI」や近年になってピックアップされる機会が増えた「GIFT」を収録したアルバムというのも見逃せないポイントですが、一般にイメージされる国民的バンドとしてのMr.Childrenのイメージに最も沿った作品かもしれません。
リードトラック「エソラ」をはじめとする煌びやかなポップソングを軸に、「少年」「声」「ロックンロール」といったバンド感のある曲も存在感を発揮し、お得意の壮大なナンバーもあったりと実に多彩なアルバムです。
「口がすべって」や「風と星とメビウスの輪」はこの時期の小林さんの特色がややマイナスに作用したアレンジで、これら2曲だけはどうにも馴染めないものの、全体的にはポップザウルス・Mr.Childrenの金字塔と呼べる1作だと思います。
私的満足度:★★★★☆
初心者向け:★★★★★
16th『SENSE』
2010年12月1日 TOY’S FACTORY
初登場1位
Produced by 小林武史
I / 擬態 / HOWL / I’m talking about Lovin’ / 365日 / ロックンロールは生きている / ロザリータ / 蒼 / fanfare / ハル / Prelude / Forever
16thアルバム。
配信限定シングル「fanfare」を収録。
前作リリース後にCDシングルが出されず、全曲が初CD化というのは1stアルバム『EVERYTHING』以来となります。
また、発売2日前までタイトルや収録曲などの情報が一切明かされず、テレビ出演や雑誌インタビューも行われることはありませんでした。
どこまでも謎に包まれたプロモーション手法が当時は話題になったものと思われますが、蓋を開けてみるとポップスやロック、バラードなどMr.Childrenらしい楽曲がバランス良く詰まっていて、とても聴きやすいアルバムになっています。
「I」「HOWL」「ロックンロールは生きている」など久しぶりにダウナーでロック色を押し出した曲調も多く収められ、近年どこか刺激が足りないと感じるようなリスナーのニーズにも応えています。
リードトラック「擬態」も透明感のある曲調に反して内省的な詞が刺さってきますし、かと思えば初期を思わせる「I’m talking about Lovin’」や王道美メロバラード「365日」「ハル」の安定感にホッとさせられ、終盤2曲のクライマックス的な流れもまた絶品で、総じて満足度の高い1枚です。
個人的には中学生だった2012年に後追いで本作を手に取ったことがミスチルにドハマリする大きなきっかけとなったので、大変思い出深いです。
“小林武史&Mr.Children” 体制においては程よいバンド感、適度なカラフルさが両立していて、前作以上に耳にスーッと入ってくる感覚もあるので今でも頻繁に聴くアルバムですね。
私的満足度:★★★★★
初心者向け:★★★★☆
Best『Mr.Children 2001-2005 <micro>』
2012年5月10日 TOY’S FACTORY
初登場2位
Produced by 小林武史
優しい歌 / youthful days / 君が好き / 蘇生 / Drawing / いつでも微笑みを / Any / HERO / タガタメ / 掌 / くるみ / Sign / and I love you / 未来 / ランニングハイ
3rdベストアルバム。『Mr.Children 2005-2010 <macro>』と同時発売。
2001年リリースの『Mr.Children 1992-1995』『Mr.Children 1996-2000』の正統な続編です。
収録範囲内のシングル曲ではオリジナルアルバム未収録だった「ヨーイドン」がまたしても外される事態となりました。
本作と次作は私やたろが初めてリアルタイムでMr.Childrenに触れたアルバム作品でして、J-POPにハマりたての多感な中学時代に2作まとめてレンタルしたので非常に思い出深いです。
名曲揃いのラインナップに大いなる感動を覚え、勢いのままに直近の『SENSE』でよりいっそうミスチルの虜になり、そこからの熱中ぶりは言わずもがなですが…。
本作もミスチル初心者には最適な内容となっており、オルタナティブで難解な時期を越えて王道ポップス路線に返り咲いた時期のダイジェストとして実に秀逸な並びです。
いざコアファンになってみると「タガタメ」より「PADDLE」を入れてほしかったなとか、「ヨーイドン」の不遇ぶりなどの細かな気付きもありましたが、基本的には文句なしの決定盤です。
この少し前にレンタルしていた『SUPERMARKET FANTASY』や本作と次作を聴いた段階ではMr.Childrenを極めてポップなバンドだと思い込んでいたので、過去作を遡って聴くにつれてそのイメージが覆っていく体験にも新鮮味を覚えた、そんな淡い中学2年の夏でした。笑
私的満足度:★★★★★
初心者向け:★★★★★
Best『Mr.Children 2005-2010 <macro>』
2012年5月10日 TOY’S FACTORY
初登場1位
Produced by 小林武史
Worlds end / 僕らの音 / 箒星 / しるし / フェイク / 彩り / 旅立ちの唄 / GIFT / HANABI / 花の匂い / エソラ / fanfare / 擬態 / 365日
4thベストアルバム。『Mr.Children 2001-2005 <micro>』と同時発売。
2001年リリースの『Mr.Children 1992-1995』『Mr.Children 1996-2000』の正統な続編です。
年間アルバムチャート1位を記録し、現在のところ最後のミリオンセラーとなっています。
先述のように個人的には前作とセットでMr.Childrenの魅力に開眼した思い出深いベストアルバムですが、「しるし」「GIFT」「HANABI」「エソラ」「365日」など親の影響やタイアップ等で聴き覚えのある名曲も多かったので、最初はこちらばかりをリピートしていた覚えもあります。
ポップザウルスたるこの時期のMr.Childrenのエッセンスを押さえるにはやはり最適な1枚で、選曲もこれぞベスト盤というべき理想的な内容です。
誰もが知るヒットチューンを連発していた最後の時期となるため、初心者向けのベストアルバムはひとまずここまでの4作になるかなと。
私的満足度:★★★★★
初心者向け:★★★★★
17th『[(an imitation) blood orange]』
2012年11月28日 TOY’S FACTORY
初登場1位
Produced by 小林武史
hypnosis / Marshmallow day / End of the day / 常套句 / pieces / イミテーションの木 / かぞえうた / インマイタウン / 過去と未来と交信する男 / Happy Song / 祈り〜涙の軌道
17thアルバム。
シングル「かぞえうた」「祈り〜涙の軌道/End of the day/pieces」「hypnosis」を収録。
前作『SENSE』リリース直後に発生した東日本大震災の影響で曲が書けないスランプに陥り、程なくそこから抜け出したものの全体的にスローなバラードナンバーばかりが大挙して並んだアルバムに仕上がりました。
初期テイストの応援ソング「End of the day」、中川さんのベースのドライブ感が心地よい「Marshmallow day」、本作唯一のダーク枠「過去と未来と交信する男」以外はすべてバラードやそれに準ずる穏やかな楽曲なのです。
曲調の画一化に輪をかけるように田原さんのエレキギターの鳴り方があまりにも控え目で、ロックバンドのアルバムとしては如何ともしがたいところはあるものの、鈴木さんと中川さんによるリズム隊は奮闘していて意外と芯の太いサウンド作りになっています。
当時はやはり小林さんの影響力が極限にまで達し、バンドを呑み込む勢いでストリングスやピアノに覆われた編曲に賛否両論ありましたが、1曲1曲はどれも確かな名作。
アルバムとして聴くには些か重たい印象もありますが、あの頃の年末の空気感を思い出させてくれて個人的にはなんだか愛おしい1作です。
私的満足度:★★★★★
初心者向け:★★★☆☆
18th『REFLECTION』
2015年6月4日 TOY’S FACTORY
初登場1位
Produced by Mr.Children
18thアルバム。
シングル「REM」「放たれる」「足音 〜Be Strong」を収録。
アルバム制作がスタートした2013年までは従来通りの制作体制でしたが、2014年になって所属事務所である烏龍舎の分社化に伴い小林さんが離脱、キャリア初のセルフプロデュースへと踏み切ることとなりました。
制作期間も長期化し、全23曲が完成したものの1枚のCDには収まらないことから、その全てを収録したUSBアルバム {Naked}、14曲に厳選した {Drip} の両形態でリリースされました。
REFLECTION {Naked}
fantasy / FIGHT CLUB / 斜陽 / Melody / 蜘蛛の糸 / I Can Make It / ROLLIN’ ROLLING 〜一見は百聞に如かず / 放たれる / 街の風景 / 運命 / 足音 〜Be Strong / 忘れ得ぬ人 / You make me happy / Jewelry / REM / WALTZ / 進化論 / 幻聴 / Reflection / 遠くへと / I wanna be there / Starting Over / 未完
彼らにとっては初となるUSBでリリースされた {Naked} は全23曲の完全盤です。
{Drip} に省かれたマニアックな方向性の楽曲も余さず収録されていますが、110分に及ぶ本作を聴くとこの時点でのMr.Childrenの全てを感じ取ることができ、セルフプロデュースに挑んだ貪欲な姿勢がひしひしと伝わってきます。
{Naked} のみの楽曲も決してキャッチーさが無いわけではなく、どれも歴代のオリジナルアルバムを深く聴き込んでいれば大いに満足のいく多彩な名曲揃い。
「fantasy」「幻聴」「Starting Over」「未完」といったシングル級のリードトラックをはじめとして、ミスチルらしいポップ性はそのままにアグレッシブで瑞々しいバンドサウンドを聴くことができるのは大変嬉しいポイントで、田原さんが活き活きとエレキギターをかき鳴らすさまに思わず笑みがこぼれます。
「fantasy」「FIGHT CLUB」「幻聴」「REM」のように小林さんが参加した曲においても演奏に漲る勢いはここ数作と比べても段違いですし、「I Can Make It」「ROLLIN’ ROLLING 〜一見は百聞に如かず」「WALTZ」などセルフプロデュースの賜物といえる重厚なロックチューンはひたすらに痛快です。
他にもフォーキーな「街の風景」、初期を思わせるポップな「運命」、ジャズテイストの「You make me happy」など、その音楽性は全オリジナルアルバムでも随一のレンジの広さを誇ります。
一方で王道系統のバラードは小林さんの手腕が光り、むしろこれらが存在することで大多数のセルフプロデュース曲が輝く…とすら感じられるほどバランスの良さも抜群。
最終盤である「I wanna be there」〜「未完」の並びはここまでミスチルを聴き続けてきたリスナーほど感慨もひとしおではないでしょうか。
なお、私個人としてはこの {Naked} がMr.Childrenで最も好きなアルバムなんですよね。
リピートした回数もダントツで思い入れの深さは言うまでもありませんが、これまで各アルバムごとに多様な音楽性を魅せていた “ミスチルらしさ” がこの23曲に惜しげもなく詰まっていて、文句のつけどころがない珠玉の大名盤です。
私的満足度:★★★★★
初心者向け:★★★★☆
REFLECTION {Drip}
未完 / FIGHT CLUB / 斜陽 / Melody / 蜘蛛の糸 / Starting Over / 忘れ得ぬ人 / Reflection / fantasy / REM / WALTZ / 進化論 / 幻聴 / 足音 〜Be Strong
一方、14曲に厳選された {Drip} はあまり通しで聴いた回数が多くはなく、ミスチルらしい王道かつ無難な楽曲が選び抜かれた印象しかないです。
コアファン視点では曲順も内容も {Naked} が完成されすぎているだけに、続けて聴くとやや見劣りする部分がありますが、充分にいい曲は揃っているのでライトリスナーにもってこいの作品だなと。
私的満足度:★★★☆☆
初心者向け:★★★★☆
19th『重力と呼吸』
2018年10月3日 TOY’S FACTORY
初登場1位
Produced by Mr.Children
Your Song / 海にて、心は裸になりたがる / SINGLES / here comes my love / 箱庭 / addiction / day by day(愛犬クルの物語) / 秋がくれた切符 / himawari / 皮膚呼吸
19thアルバム。
シングル「himawari」「here comes my love」を収録していますが、ひとつ前の「ヒカリノアトリエ」はコンセプトの相違を理由に未収録となりました。
また、初めて小林さんが1曲も参加していない完全セルフプロデュース体制でのアルバムとなります。
セルフプロデュースならではのバンドサウンドを強調するために敢えてカラーの違う「ヒカリノアトリエ」を外すなど、前作に続き…いやそれ以上に4人組ロックバンドとしてのMr.Childrenを聴かせようという気概が伝わる1作。
先行シングルの「himawari」「here comes my love」、リードトラック「Your Song」がいずれもバンドサウンドを軸としつつも壮大なスケール感のある名曲でしたが、アルバムとしてはどちらかというと軽やかで耳心地のよい聴感。
メンバー4人のアンサンブルは活き活きと鳴り響くものの、過去作でいう『DISCOVERY』辺りの重厚さはほとんど無く、その点においてリリース当時はやや拍子抜けしたことを覚えています。
「箱庭」や「秋がくれた切符」なんかは「ヒカリノアトリエ」を外した割にものすごくメロウな佇まいですが純粋にいい曲ですし、何よりもアルバムを象徴するラストトラック「皮膚呼吸」が歴代屈指の大名曲に感じられてこれだけで大満足でした。
私的満足度:★★★★☆
初心者向け:★★★☆☆
20th『SOUNDTRACKS』
2020年12月2日 TOY’S FACTORY
初登場1位
Produced by Mr.Children, Steve Fitzmaurice for 365 Artists & Ken Masui for EDGEof / SoKen-Bisha SKB
DANCING SHOES / Brand new planet / turn over? / 君と重ねたモノローグ / losstime / Documentary film / Birthday / others / The song of praise / memories
20thアルバム。
シングル「Birthday/君と重ねたモノローグ」「turn over?」を収録。
全収録曲を海外でレコーディングしており、2019〜20年初頭にかけてロンドンとロサンゼルスに断続的に滞在する形で作業が行われました。
『深海』以来となるアナログレコーディングの実施にあたっては、現地のプロデューサー/アレンジャーにSteve Fitzmaurice、Simon Haleを招き、日本からもケン・マスイ氏を迎えているので本作はセルフプロデュース作品ではありません。
久しぶりに海外で録音された意欲作ということで、音の響きが細部に至るまで従来の国内レコーディング作品とはまるで異なり、J-POPとしては極めて新鮮な音像です。
特に大半の曲で使用されているストリングスアレンジについては桜井さんが録音に立ち会って思わず涙を流したと伝えられており、以降の作品群でも本作の制作陣を頻りに招いていることからも非常に納得のいく音作りだったのではないかと思います。
そのため全体的な完成度は最高傑作に近いところがあるというか、Mr.Childrenとしてもメンバー全員が求めていたイメージと合致して大きな手応えを得られたのではないでしょうか。
ただ一方で各楽曲は割と控え目な存在感というか、どこか小粒な感覚を抱きます。
「Documentary film」は歴代でもTOP3に入る出色の名曲だと感じましたし、「DANCING SHOES」「others」なども海外レコーディングとの相乗効果で新鮮味溢れる良曲ですが、それ以外はシングル級の名曲揃いとまではいかず、どちらかというとアルバムトータルでの完成度の高さに軍配が上がるといいますか…。
「Birthday」「Brand new planet」辺りのアリーナロック系に関してはセルフプロデュースによるガツンとしたバンドアレンジで聴きたかったところでもあります。
歌詞については50代を迎えた桜井さんの心境がストレートに反映されていて、無常観や老いの境地を感じさせる言葉が並んでいる点もまたこれまでには無かったポイント。
“深海” 期の再来というには大袈裟かもしれませんが、この年代のソングライターが陥りやすいミドルエイジクライシス的現象は次作『miss you』にも引き継がれます。
私的満足度:★★★★☆
初心者向け:★★★☆☆
Best『Mr.Children 2011-2015』
2022年5月11日 TOY’S FACTORY
初登場2位
【DISC-1】hypnosis / REM / Marshmallow day / 祈り〜涙の軌道 / End of the day / pieces / 常套句 / Melody / 足音 〜Be Strong / 忘れ得ぬ人 / 放たれる / 幻聴 / 進化論 / 未完
【DISC-2 ※ライブ音源】innocent world / Dance Dance Dance / 抱きしめたい / CROSS ROAD / Tomorrow never knows / シーソーゲーム〜勇敢な恋の歌〜 / 名もなき詩 / ニシエヒガシエ / 光の射す方へ / つよがり / 口笛 / NOT FOUND / 終わりなき旅
5thベストアルバム。『Mr.Children 2015-2021 & NOW』と同時発売。
2001年リリースの『Mr.Children 1992-1995』『Mr.Children 1996-2000』、2012年リリースの『Mr.Children 2001-2005 <micro>』『Mr.Children 2005-2010 <macro>』の正統な続編です。
収録範囲内のシングル曲では配信限定の「かぞえうた」のみ選出されませんでした。
DISC-2は『Mr.Children 30th giving 1』と称するライブ作品のベストテイク集となります。
この10年間はそれまでに比べるとシングルを切ることも少なくなり、アルバムについても寡作とは言わないまでもリリースペースは緩やかになりつつありました。
そんな中でのベスト2作ということで、この期間に事務所の分社化に伴いセルフプロデュースに踏み切るという一大トピックはあったものの、ごく最近のような感覚もしてあまり歴史的な厚みを感じられない側面も。
小林さんの影響力がピークに達した『[(an imitation) blood orange]』期、セルフプロデュースへの移行段階となった『REFLECTION』期といずれも中身の濃い名曲揃いで、思い出深いナンバーばかりですが…あまり本作の流れで聴く機会も多くはないのです。
この時期の曲は普通にオリジナルアルバムをリピートするほうが聴き応えがあるなと改めて気付かされました。
DISC-2のライブベスト集は、一応は映像作品も追ってきたリスナーからすると必ずしもベストテイクばかりではないなと感じられ、全て既出の音源という部分もさほど新鮮味を感じられるものではなかったですね。
特に「CROSS ROAD」は原曲アレンジで演奏された数少ないライブがどれも未ソフト化なので、この機会に蔵出ししてほしかったところ。
私的満足度:★★★☆☆
初心者向け:★★★★☆
Best『Mr.Children 2015-2021 & NOW』
2022年5月11日 TOY’S FACTORY
初登場1位
【DISC-1】Starting Over / fantasy / ヒカリノアトリエ / himawari / here comes my love / SINGLES / Your Song / 皮膚呼吸 / Birthday / Brand new planet / others / Documentary film / 永遠 / 生きろ
【DISC-2 ※ライブ音源】youthful days / HERO / くるみ / Sign / Worlds end / しるし / フェイク / GIFT / HANABI / エソラ / 365日 / タガタメ
6thベストアルバム。『Mr.Children 2011-2015』と同時発売。
2001年リリースの『Mr.Children 1992-1995』『Mr.Children 1996-2000』、2012年リリースの『Mr.Children 2001-2005 <micro>』『Mr.Children 2005-2010 <macro>』の正統な続編です。
収録範囲内のシングル曲では「君と重ねたモノローグ」「turn over?」が選出されなかった一方で、「ヒカリノアトリエ」が満を持してアルバム初収録となりました。
「生きろ」は初出の新曲。
DISC-2は『Mr.Children 30th giving 2』と称するライブ作品のベストテイク集となります。
本作の時期はセルフプロデュースを突き詰めたかと思えば海外レコーディングを敢行するなど、刺激的なサウンド作りを試みた濃密な期間ではありますが、同時発売の前作以上についこの間リリースされたような作品ばかりという感覚に…。
個人的には「ヒカリノアトリエ」の救済に加え、Mr.Childrenの全曲を並べてもTOP10に食い込む「fantasy」「皮膚呼吸」「Documentary film」が一挙に収められていて感慨深いものがありましたが、やはりオリジナルアルバム単位で聴いてしまうためベスト盤としての印象はやや薄いです。
久しぶりに小林さんを招いた「永遠」、『SOUNDTRACKS』での海外制作陣を再び招いた「生きろ」も確かな良曲ながらガッツリ刺さるほどでもなかったので、やはりミスチルの真髄はオリジナルアルバムだなと感じました。
DISC-2のライブベスト集は安定した良さはあるものの、やはりここにMr.Childrenのパフォーマンスの魅力が全て詰まっているとは言い難いラインナップのため、もう少しこだわったチョイスが欲しかったところではありますね。
私的満足度:★★★☆☆
初心者向け:★★★★☆
21st『miss you』
2023年10月4日 TOY’S FACTORY
初登場1位
Produced by Mr.Children
I MISS YOU / Fifty’s map ~おとなの地図 / 青いリンゴ / Are you sleeping well without me? / LOST / アート=神の見えざる手 / 雨の日のパレード / Party is over / We have no time / ケモノミチ / 黄昏と積み木 / deja-vu / おはよう
21stアルバム。
先行シングルが一切無く、全曲が未発表の新曲で構成されておりますが、これは1stアルバム『EVERYTHING』以来でした。
ポエトリーリーディング調の風刺曲「アート=神の見えざる手」が極めつけとなりますが、前作『SOUNDTRACKS』以降のミドルエイジクライシスがピークに達し、コロナ禍も相まって全体的に暗く儚い作風です。
それでいてサウンド面に不思議と重たさが感じられないのは、中盤にあたる4〜10曲目が4人の奏でるバンドサウンドではないためでしょう。
これは前代未聞のサウンドプロダクションで、アコースティックギターやピアノが目立つ一方でエレキギターはほぼ不在、ドラムとベースは打ち込みで処理されたものが多いのです。
そのためMr.Childrenのアルバムというよりも桜井和寿のソロ作品という形容がしっくりくるような、極めて異色のアルバムですね。
冒頭と終盤で聴かれる円熟したバンド感が心地よいだけに、本作を引っ提げたツアーに限らずスタジオレコーディングの段階でもう少しアレンジを練ってほしかったところではありますが、じっくり聴けばどの曲も地味ながら味わい深い良作です。
ただしコアファンや音楽マニアはともかく、Mr.Childrenを初めて聴くリスナーには最もオススメできない1枚であることは否めません。
私的満足度:★★★☆☆
初心者向け:★☆☆☆☆


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