サザンオールスターズの5thアルバム『NUDE MAN』の感想記事です。
(※本記事は、2008年12月3日発売のリマスターCDを聴いた際の感想です。)
収録曲
01. DJ・コービーの伝説
02. 思い出のスター・ダスト
03. 夏をあきらめて
04. 流れる雲を追いかけて
05. 匂艶 THE NIGHT CLUB
06. 逢いたさ見たさ 病める My Mind
07. Plastic Super Star (Live In Better Days)
08. Oh! クラウディア
09. 女流詩人の哀歌
10. Nude Man
11. 猫
12. 来いなジャマイカ
13. Just A Little Bit
基本情報
▪1982年7月21日発売 (LP, CT)
▪Invitation (ビクター)
▪最高1位
青春の終わりに
久しぶりのアルバム感想では、今年デビュー45周年を迎えるサザンオールスターズの名盤『NUDE MAN』を取り上げます!
今回なぜこのアルバムなのかというと、現在大学4年次の私が良くも悪くも学生時代の終わりを意識せざるを得ない中、過ぎゆく青春のほろ苦さや大人になっていく寂寥感などさまざまな想いの詰まった『NUDE MAN』や「Ya Ya (あの時代を忘れない)」がとても響き、気づけばずっとリピートしているなと。
このアルバムに込められた情緒や感傷から、サザンを好きになった15歳の頃には分からなかった何とも言えない感情が溢れてきて、これは学生時代のうちになんとか感想を残しておきたいと思い立った次第です。
バンド初期の到達点
さっそく本題に入りますが、この『NUDE MAN』は学生時代のサークルからスタートした6人組ロックバンドとしてのサザンのひとつの到達点だと感じていて。
リトル・フィートをはじめとするさまざまな洋楽ロックへの憧れを音に閉じ込めた1st『熱い胸さわぎ』からブレイクを経て音楽性の幅を広げてきたサザンですが、一つ前の『ステレオ太陽族』にて八木正生を大々的にフィーチャーしてJazzyな音像を意欲的に取り込んだ辺りで学生サークルの延長線上のシンプルなバンドサウンドからの変化が始まった印象があります。
それを経ての今作はこれまでにトライしてきたバラエティ豊かな音楽性を集大成のごとく包括しつつ、社会風刺的な歌詞の登場やアルバム未収録の「走れ!! トーキョー・タウン」でニューウェーブ的なサウンドに挑戦するなど、打ち込みやテクノに傾倒する次回作以降への過渡期ともいえるフェーズにいたことが分かります。
アルバムとしてもそうですが、今作の直後にリリースされたシングル曲「Ya Ya (あの時代を忘れない)」で桑田さん自身の学生時代への想いを綴ったことがバンド史におけるひとつの区切りを意味しているのは言うまでもないかなと。
80’sサザンで最も好きなアルバム
ここまで長々と背景を綴ってきましたが、このアルバムは本当に名盤なんですよ。
個人的に80年代のサザンでは『人気者で行こう』に並んで最も好きな作品のひとつですね。
収録範囲内のヒットシングル「チャコの海岸物語」は未収録ながらも、シンプルなバンドサウンドを基調としつつ多種多様な曲調が詰め込まれた幕の内的な構成は現在のパブリックイメージに近いサザンらしさに溢れていますし、1曲1曲も粒揃いです。
親交の深い小林克也氏をモチーフにした、Billy Joel「Big Shot」を彷彿とさせる抜けの良いロックチューン「DJ・コービーの伝説」で掴みはバッチリ。
先行シングルである「匂艶 THE NIGHT CLUB」はディスコやラテン、歌謡テイストを織り交ぜ、後年のゴールデンボンバーにも影響を与えた力作ですね。
横浜の米軍基地に思いを馳せてしまうソウルフルな「思い出のスター・ダスト」、ファン人気の高い「夏をあきらめて」や「Oh! クラウディア」、ラストを飾るBoz Scaggs「We’re All Alone」的な「Just A Little Bit」などといった珠玉のバラッドナンバーがどれもアルバムの肝というか、非常に切なくて大好きなんです。
原さん、大森さんがそれぞれボーカルを取った「流れる雲を追いかけて」「猫」は後年には見られないような貴重なアプローチですし、初めて社会風刺に挑んだタイトル曲「Nude Man」の痛快さ、さまざまな洋楽ミュージシャンが歌詞中に登場する本格派レゲエ「来いなジャマイカ」など実験的な要素も充実しています。
「Ya Ya (あの時代を忘れない)」C/Wの隠れた名曲「シャッポ」にも通ずるような「女流詩人の哀歌」の華やかなAORテイストも大好物。
あと、桑田さんは後にかなり否定的なコメントをしていますが、ライブさながらの熱度の高さが実にイカした「Plastic Super Star (Live In Better Days)」はロックバンド・サザンオールスターズの真骨頂だと思いますね。
いやはや、多彩な名曲揃いです!
最後に
かなり駆け足ながらも色褪せないサザンの名盤を振り返ってまいりましたが、いかがでしたでしょうか?
私としては学生のうちに本作の魅力を再認識できたこと、そしてその感想を記事に残せたことを大変嬉しく思っています。
これは余談ですが、Michael Jackson『Thriller』、山下達郎『FOR YOU』、TOTO『Toto Ⅳ』、松任谷由実『PEARL PIERCE』etc. 本作発売の1982年って洋邦問わず名盤がとても多いんだなということに改めて気づきました…。
ここまで読んでくださった皆さま、今回もありがとうございました!


